イギリスで開催されたTrust & Safety Summit UKにて、Match Groupの20以上のサービスで導入したセーフティ・バイ・デザイン(Safety by Design)プログラムの開発経験や学びを共有する講演を行いました。
世界中からオンライン安全性の専門家が集まるこのサミットは、安全なオンライン空間の実現を目指す仲間と繋がる貴重な機会となりました。
行動経済学の力:開発者を巻き込むナッジ
講演では、行動経済学に基づいたナッジの重要性を強調しました。サービスの開発者が自ら安全対策を積極的に取り入れるよう促すために、Safety by Designプログラムの設計にナッジの概念を取り入れることが、Safety by Designプログラムの成功を大きく左右します。
データサイエンスとAIの専門知識の活用
世界銀行でのデータサイエンスプロジェクト経験で培ったAIモデルの理解が、AIの安全性評価のプログラムを作った時に大変役に立ったことも話しました。 現在さまざまなIT企業でAIの安全評価制度が作られていますが、AIの安全性を評価する専門家がAIモデルを理解できているとは限りません。そのような現場では、エンジニアとAIの安全性を評価するスタッフの間に理解の隔たりが生まれ、Safety by Designの導入を阻害する要因となる場合もあります。
AIの安全性評価システム構築には専門家とエンジニアの理解の橋渡しが重要です。
ラウンドテーブルセッション:多様な視点からの学び
講演に加え、ラウンドテーブルセッションの司会を務め、様々なIT企業や政策立案者とSafety by Designプログラムの構築・運用について意見交換を行いました。互いの経験を共有し、学び合うことで、Safety by Designのグローバルなコミュニティ形成の第一歩を踏み出すことができました。
学び続ける旅:より安全なデジタル世界へ
Trust & Safety Summit UKで、20以上のサービスにSafety by Designプログラムを立ち上げた経験を共有し、多くの方から学びを得られたことは、かけがえのない経験となりました。Safety by Designは、大変新しい分野で、今後進化し続ける取り組みです。今後も、Safety by Designのグローバルな取り組みを続け、安全なインターネットとAIの実現を目指していきたいと思います。